アフターピル(緊急避妊薬)「ノルレボ®錠1.5㎎」の効果と使用法

ピル(経口避妊薬)

アフターピルで望まない妊娠を防ぎましょう

アフターピルとは、避妊に失敗した後に服用する「緊急避妊薬」のことを言います。
従来は「プラノバール錠」を使う「ヤッペ法」が中心でしたが、現在はいろいろとメリットの多い「ノルレボ錠1.5㎎」を使う「ノルレボ法」が主流になっています。

アフターピル(緊急避妊薬)とは?

アフターピルは、避妊措置をとらずに性行為してしまった場合や、暴行を受けた場合など、避妊に失敗した「後に」飲む避妊薬です。

翌朝に飲むという意味から「モーニングアフターピル」とも呼ばれますが、朝と言わず、性行為の直後に飲む事が望ましいです。
なぜなら時間が経過するほど避妊成功確率が低くなるからです。

ノルレボ錠1.5㎎とは?

ノルレボ錠1.5㎎は、アフターピルとして性行為の後に飲む「緊急避妊薬」です。
少し前は0.75㎎錠を2錠飲むことになっていましたが、0.75㎎錠は製造中止となり、今後は1.5㎎錠を1錠飲む形となります。
女性ホルモンの一つである「黄体ホルモン」として「レボノルゲストレル」を有効成分としています。

避妊効果は、性行為後早ければ早いほど高くなります。
24時間以内だと98.5%、24~48時間で97%、48~72時間だと95%になります。

アフターピルは、とにかく早く飲むことが大事です。

ノルレボ錠の避妊効果

性交後の時間 避妊成功率
12時間以内 99.5%
13時間~24時間以内 98.5%
25時間~36時間以内 98.2%
37時間~48時間以内 97.4%
49時間~60時間以内 96.9%
61時間~72時間以内 95.9%

参照:ミナカラ

「ヤッペ法」という緊急避妊法があると聞いたけど?

「ヤッペ法」は、以前使われていた緊急避妊法です。
あらゆる面でノルレボ法に劣るのですが、価格が安いことから、現在でも選択肢に入る方法です。

副作用として「吐き気」「嘔吐」がかなり出やすく、避妊効果もノルレボに比べて劣ります。
また、最初の服用後、12時間経ってから2度目の服用が必要となります。
2度飲まないといけないことと「嘔吐」の副作用の組み合わせは厄介です。
なぜなら、ピルは服用後2時間以内に嘔吐したり激しい下痢をした場合、効果が十分に出ないからです。
このような事情で、今はノルレボ法が主流です。

消退出血は緊急避妊成功の証

ノルレボ錠は強制的に生理を起こさせる薬です。

ノルレボで緊急避妊に成功したら「消退出血」があります。
ピルで引き起こした生理のことで、子宮の内膜が剥がれ落ちて、血液となって体外へ排出されることを指します。
これが起これば避妊に成功したと言っていいでしょう。

しかし、ノルレボ錠を服用してもすぐに消退出血があるとは限りません。
本来の生理が近い時に服用すれば、3日くらいで消退出血が起こります。
前回の生理から何日も経ってないという場合は3週間ほど後の出血となります。

着床出血は妊娠した証拠

「消退出血」は、ノルレボの効果で避妊が成功した証拠となるものでしたが、逆に妊娠した結果起こる出血が「着床出血」です。

子宮で受精し、着床した結果起こります。
基本的に妊娠4週目以降に起こります。
ただし、妊娠しても必ずしも着床出血があるわけではありません。
また「不正出血」との判別が必要なので、問題は少し複雑になります。

実際、着床出血を判別するのは難しいと思います。
ただ、普段から基礎体温をつけている方なら、判別は可能です。
妊娠が成立すると、体温を上げる作用のある黄体ホルモン「プロゲステロン」の分泌が続くので、高温期が続くことになります。
妊娠しなかった場合、プロゲステロンの分泌は止まってしまうので、基礎体温が低温になります。
低温になれば妊娠を回避できたとみていいです。

ノルレボ錠服用後の出血は「消退出血」「着床出血」だけでなく「不正出血」の可能性もあります。

不正出血とは?

「不正出血」とは「消退出血(生理)」でも「着床出血」でもないのに起こる出血のことを言います。

出血量は少ないことが多いのですが、消退出血も着床出血も量が少ないこともあるので注意が必要です。

不正出血はいつでも起こりうるものです。
一方、消退出血はノルレボ服用後2日~3週間後に起こります。
着床出血は妊娠してから4週目以降です。

不正出血はピルやアフターピルを使っていない時にも起こります。
特に原因がないのに起こる不正出血を「機能性出血」と言い、背後に何らかの病気がありそのため出血している場合を「器質性出血」と言います。

原因としては「時給内膜症」「子宮筋腫」「子宮体がん」「子宮頸がん」「膣炎」などがあります。
不正出血が続く場合は、病院で検査を受けましょう。

ノルレボ服用後2日~3週間経って明らかな「消退出血」が訪れたらまずは一安心です。
しかし、消退出血かどうかわからない、あるいはノルレボ服用後3週間以上経っても消退出血が起こらない、というときは、妊娠検査が必要になります。

まず手軽に行えるのが市販の「妊娠検査薬」です。
妊娠検査薬は、ノルレボ服用後最低3週間後からの使用になります。

妊娠検査薬は、生理予定日からさらに1週間経ってから使用可能になります。
ノルレボを服用した場合は服用から3週間経過以降です。
妊娠検査薬はhCG(ヒト絨毛(じゅうもう)性ゴナドトロピン)が分泌されているかどうかを基準に妊娠の有無を判定します。
hCGは着床した時から値が増え、黄体を維持する働きをします。

妊娠していない場合、値は0.7IU/ℓ(0.7mIU/mℓ)以下です。
妊娠成立後3週間目くらいに0~50IU/ℓになります。

一般的な市販の妊娠検査薬はhCGが50IU/ℓから感知できます。
「早期妊娠検査薬」を使うなら、それより4日ほど早く検査が行えます。

検査は、スティック状の検査薬に少量の尿をかける方法で行います。

ノルレボ服用後の性交渉について

ノルレボ錠を服用した後すぐに性交渉を行った場合、避妊に失敗することが考えられます。
必ず消退出血を待ち、その間は性行為を控えるか、コンドームなど他の避妊法を使うようにしてください。

また、ノルレボ服用後、再度避妊に失敗した場合、もう一度ノルレボを使うことはできません。

ノルレボ服用後、低用量ピルを飲み始めるタイミングは?

消退出血と思われる、ある程度の量の出血があってから低用量ピル(アフターピルでない普通のピル)服用を開始してください。
ただ、時期によって飲み始めていいタイミングは少し異なります。

ノルレボ服用から1週間以内に消退出血があった場合、その次の自然な生理が起きた日から飲み始めてください。

ノルレボ服用後、1週間以上を経てから消退出血があった場合、その日から飲み始めることができます。
ただし、この場合、避妊確率万全とは言えないので、低用量ピル服用後1~2週間は性交渉をしないか、他の避妊法を使ってください。

ノルレボ錠はどこで入手できる?

病院での処方になります。
現在は「ノルレボ錠0.75㎎」は製造中止となっております。
0.75㎎錠は2錠飲むことになっていました。
現在処方されるのは「ノルレボ錠1.5㎎」で、1錠の服薬で済みます。
勘違いで1錠しか飲まなかった、などというトラブルを起こしにくいと言えます。

ノルレボ錠の処方は、診察代などを入れると15,000~20,000円程になります。
ヤッペ法では3,000~5,000円程度ですが、避妊効率・副作用などで劣りますので、近年ではあまり選択されません。

海外製アフターピル「アイピル」はどうでしょう?

ノルレボのジェネリック(後発医薬品)であるアイピルは1錠2,000円程度で入手できます。
ただ、国内製はありませんので、海外製のものを個人輸入するという形になります。

個人輸入はハードルが高いです。
さらに手元に届くまでに日数がかかる場合が多いです。(アフターピルはできるだけ早く飲むことが重要です。)
そこで、ネットの輸入代行業者から買うことになるのですが、これには危険が付きまといます。
成分の入っていないニセモノが送られてきて避妊に失敗したなどの事例もあるようです。

避妊、妊娠、出産というのは、身体と人生に大きな影響を与える重大事です。
万が一にも失敗は許されません。
ですので、日本で正規に処方してもらえ、検査や指導を受けられる「ノルレボの処方」を選択するのが良いと思われます。

でも、あまりにも高い…と思われるかもしれませんが、アフターピルは何度も使うものではありません。
仮に何度も使わなければいけない状況になっているのなら、普段から「トリキュラー」「マーベロン」「ルナベル」などの低用量ピルを継続服用しておくべきです。
ここぞ、というときの緊急避難措置としてのノルレボには、万全を期して正規の方法で処方してもらうことをお勧めします。

国内初のノルレボ錠のジェネリック申請されました(富士製薬)

2018年2月26日、富士製薬がノボレル錠のジェネリック(後発医薬品)の承認申請をしました。
患者さんの負担を軽減するための価格設定がなされることが期待されます。
通常、ジェネリックは後発医薬品の50%程度の価格帯になるので、承認されれば、正式な国内処方が安価で受けられるようになることになります。

ジェネリックはなぜ安い?

ジェネリック医薬品は、先に開発された「先発医薬品」の特許期間が終了したものに対して、後から同様の成分を使って発売される「後発医薬品」です。
先発品より安価に提供できます。
その理由は、薬の開発費用がかからないためです。
基本的に同じ成分を使っているわけですから、効果は同じです。
ただ、添加物などにより体内への吸収率が違ったりということはある場合があります。

アフターピルで望まない妊娠を防ぎましょう

ノルレボ錠で避妊に失敗する要因と対策

ノルレボ錠で避妊に失敗する要因は、まず第一に「性行為からノルレボ服用まで時間が空いてしまった」ということです。

ノルレボ錠は性行為から24時間以内に飲んだ場合の避妊成功率は98%。24時間~48時間では97%、48時間~72時間では95%です。
「できるだけ早い時点で服用する」というのが最も重要です。

参照:ミナカラ

ノルレボ錠服用後2時間以内に嘔吐したり激しい下痢を起こしたりした場合も避妊失敗の元となります。
ノルレボの成分が十分に吸収されていない可能性があるからです。
この場合、すぐに病院に連絡して指示を仰いでください。
また、アルコールは、嘔吐のリスクという観点から控えておいた方がよいでしょう。

服用直後の性行為はNGです。
ノルレボ錠では排卵日が遅れることがあり、次の性交渉で妊娠してしまう恐れがあります。
消退出血があるまでは性行為を控えるか、コンドーム等の他の避妊法を併用してください。

ノルレボ錠と飲み合わせ禁忌の薬やサプリメントを同時期に飲んだ場合、避妊に失敗することがあります。

ノルレボ錠と同時に飲んではいけないもの

薬には飲み合わせによって、作用が減退・増強したり、重篤な副作用が出るという性質があります。
それはノルレボでも同じです。

ノルレボでは「重篤な服作用が出る飲み合わせ」というものはほとんどありません。(ピルとタバコは命に係わる血栓症という病気を誘発するのですが、アフターピル1回ならあまり問題にはなりません。)
しかし、飲み合わせを控えるよう言われている「薬」「サプリメント」「食べ物」はいくつかあります。

ただ、酔い止めや吐き気止め、市販の風邪薬・鎮痛解熱剤などは問題ありません。
ただし、風邪薬・鎮痛解熱剤のうち「アセトアミノフェン」は避けるようにし、「ロキソニン」「イブプロフェン」「アセチルサリチル酸」「エテンザミド」などを使ってください。

同時服用・摂取を控えるべき薬・サプリ・食物には以下のようなものがあります

鎮痛解熱剤「アセトアミノフェン」、向精神薬「フェノバルビタール」抗うつ薬「三環系抗うつ薬」、「HIVプロテアーゼ阻害薬」、抗けいれん薬の一部、「非ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤」、「セントジョーンズワート(西洋オトギリソウ)」バストアップサプリ、「プラセンタ」「チェストベリー」「チェストツリー」「ビタミンC」「グレープフルーツ」「大豆イソフラボン」などです。

これがすべてではありませんので、このほかにも血圧降下剤など、特別の病気を持っていて薬を服用している方は、ノルレボを飲む前に医師に相談してください。

ビタミンCについてだけ説明しておきます。
ビタミンCは、1,000㎎以上大量摂取しない限り問題はありません。
普通の食事で採る分には問題ないかと思います。
ただ、サプリメントを大量に採るなど(ビタミンCはサプリにかなり高容量で含まれています)は避けてください。
また、摂らなさすぎるのも問題です。
必要所要量100㎎は、確実に摂るようにしてください。
足りないと「壊血病」になる恐れがあります。

ノルレボ錠1.5㎎ まとめ

ノルレボ錠は、現在スタンダードな緊急避妊法です。
避妊に失敗した後で飲む「事後」の薬です。
ポイントは「できる限り早く飲むこと」です。

避妊に成功したかどうかは「消退出血(生理)が、服用後2日~3週間のうちに来ることです。
確実な判定は、3週間経ってから妊娠検査薬をつかって行えます。

ノルレボ錠は早い段階で飲めばかなりの効果のあるお薬です。
ですが、何度もアフターピルのお世話になるような状況なら、普段から低用量ピルを服用しておく方がいいでしょう。

繰り返しになりますが、くれぐれも「早く飲むこと」を実践していただければと思います。

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