みんな知ってる?アフターピル(緊急避妊薬)の効果や副作用についての正しい知識

ピル(経口避妊薬)

アフターピルで望まない妊娠を防ぎましょう

アフターピルは緊急避妊薬とも言われ、避妊に失敗した際に使うお薬です。
いざというときのため、アフターピルの種類・飲み方・効果・副作用について知っておきましょう。
また、「消退出血」「不正出血」や、普段のピルの飲み方などについてもご説明します。

アフターピルとは?

薬

アフターピルは「モーニングアフターピル」とも言われる避妊薬です。
避妊に失敗した時や暴行を受けた際に「事後に飲む」薬のことを言います。
避妊効果は100%ではないものの、性交渉後速やかに飲むことにより、高い避妊効果(妊娠阻止率85%)を示します。

引用:ノルレボ錠インタビューフォーム

アフターピルで妊娠を防げたかどうかは、次の生理あるいは消退出血(後述します)があるかどうかで確認ができます。

アフターピルには、「ヤッペ法」と「ノルレボ法」という二つの選択肢があり、最近は「ノルレボ法」が使われることが多くなっています。

ヤッペ法・ノルレボ法

ヤッペ法

プラノバール配合錠

ヤッペ法とは、ノルレボ法が承認される前に使われていた方法です。
比較的安価であることから、現在も使われることがあります。

中用量ピルである「プラノバール配合錠」という錠剤を使います。
(プラノバール配合錠は効能効果に「緊急避妊薬」としての適応症を取得していないため、国内では承認されていない使用方法となります。)

プラノバール配合錠は、もともと月経困難症や子宮内膜症の治療に使われている薬で、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの両方が入っています。
ホルモン量を一気に上昇させ、そして下降させることによって排卵前であれば排卵を抑制することで排卵後であれば黄体期の短縮や着床を阻害することにより避妊効果を発揮します。

引用:Fertil Steril. 1977 Sep;28(9):932-6.

特徴として、「吐き気」「嘔吐」の副作用が出やすく、避妊効果もノルレボ法に比べれば劣ります。
しかし、ノルレボ法が13,000〜20,000円程度かかるのに比べ、ヤッペ法では3,000円前後と安価なことから、現在でも使われています。
ヤッペ法では、2度の服用が必要です。

引用:Lancet. 1998 Aug 8;352(9126):428-33.

ノルレボ法

ノルレボ錠1.5㎎(緊急避妊)

ノルレボ錠(アフターピル)は緊急避妊用に開発された薬で、国内では2011年に承認されました。
黄体ホルモン単体でできた薬で、副作用がヤッペ法に比べて少ないことが特徴です。
1回の服用で済み、避妊効果もヤッペ法に比べ高い効果を発揮すると報告されています。

  ヤッペ法 ノルレボ法
登録症例 997例 1,001例
妊娠阻止率 57% 85% 

 

副作用の比較 ヤッペ法 ノルレボ法
悪心 50.5% 23.1%
嘔吐 18.8% 5.6%
浮動性めまい 16.7% 11.2%
疲労 28.5% 16.9%

引用:ノルレボ錠インタビューフォームより抜粋・改変

値段以外の点で明らかにノルレボ法の方が優れますので、以下は基本的にノルレボ法についてご説明いたします。

ノルレボ錠(アフターピル)のジェネリック薬品 アイピル

2018年11月現在ノルレボ錠(アフターピル)には国内で承認されているジェネリック薬品(後発医薬品)は存在しません。ですがインターネットで検索をすると「アイピル」など海外で承認されているノルレボのジェネリック医薬品の情報を入手することができます。国内では承認されていないため、入手をするためには直接個人輸入を行うか、個人輸入の代行業者さんへお願いすることになります。
しかし、薬の個人輸入は大きなリスクを伴うためスマルナではおすすめしていません。

相談しづらい、医師に説明するのが恥ずかしいなど様々な理由はあるかと思いますがしっかりと診察を受けて医師からの処方を受けてくださいね。

ノルレボ錠(アフターピル)の詳細

ノルレボ錠(アフターピル)の成分は、黄体ホルモンである「レボノルゲストレル」です。
主たる作用は…
①「排卵を抑制する」
②「子宮内膜の増殖を防ぎ、受精した場合でも着床しにくくする」
の2つです。

従来は0.75㎎錠を2錠飲む必要がありましたが、2016年に1.5㎎錠が発売され、現在は基本的に1.5㎎錠を1錠服用します。

低用量ピルを代用するのは可能?

理論上、黄体ホルモンを含有しているお薬であれば代用は可能ですが、いずれのお薬も国内で緊急避妊薬としての効能効果を取得してないためオススメはできません。(承認されていないため使用できません。)

ノルレボ錠(アフターピル)の副作用

副作用で代表的なのが「吐き気」「嘔吐」です。
服用後2時間以内に吐いてしまった場合避妊効果が十分に発揮されないと言われています。

ノルレボ錠(アフターピル)服用後2時間以内に嘔吐をしてしまった場合は、再度ノルレボ錠を服用します。

World Health Organization (WHO). Selected Practice Recommendations for Contraceptive Use (2nd edn). Geneva,Switzerland, WHO, 2005

ノルレボ錠(アフターピル)では「嘔吐」の発生率は5.6%程度です。(報告によって若干異なります)

引用:ノルレボ錠インタビューフォーム

空腹時に服用すると副作用の吐き気が起こりやすいといわれていますので、食事の後か、何か軽いものを食べてから飲んだ方が良いと思われます。
アルコールとの飲み合わせは、薬理作用としては問題ありませんが嘔吐してしまう可能性は高まりますので、飲みすぎには注意が必要です。

その他の副作用としては「頭痛」「だるさ」「眠気」「食欲不振」「気分障害」などが報告されていますが、ノルレボ錠は世界的に広く使われており基本的に安全性が高いお薬です。

時々ご質問いただきますが、ノルレボ錠(アフターピル)の服用によってその後不妊症になるとか、将来妊娠・出産を希望するときに妊娠しにくい状態になるということは報告されていません。

ノルレボ錠(アフターピル)の飲み合わせ

ノルレボ錠の効果を減弱する報告のあるお薬は

薬剤名 おもな商品名
フェノバルビタール フェノバールほか
フェニトイン アレビアチン、ヒダントール
プリミドン プリミドン錠
カルバマゼピン テグレトール
リトナビル ノービア内用液
エファビレンツ ストックリン錠
リファブチン ミコブティンカプセル
リファンピシン リファジンカプセルなど
セイヨウオトギリソウ サプリメントなどに含まれています。

引用:ノルレボ錠インタビューフォーム

セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)は併用注意に分類されています。服用により、避妊効果が減弱することがあります。
気分障害の緩和目的などで配合されるものですが、サプリメントだけでなく、ハーブティーなどにも含まれています。

他に抗けいれん薬(フェノバルビタールなど)や、HIV感染症治療薬なども同じように併用注意に記載があります。
その他の疾患などで継続的に薬を飲んでいる人は、アフターピル服用の前に医師などに確認してください。

一般的な鎮痛解熱剤(NSAIDs非ステロイド性抗炎症薬)については併用禁忌、併用注意に分類されていません。

ノルレボ錠(アフターピル)で避妊できたかどうかの基準

アフターピルの服用後に来る生理のことを「消退出血」と言います。
避妊に成功した証と言えます。
通常の生理と同様に子宮の内膜が剥がれ落ち、血液となって体外に排出されるものです。

ただし、ピルを飲んだからといって、直ちに消退出血が来るとは限りません。

避妊に成功した場合、ノルレボ錠(アフターピル)を服用した後、数日〜3週間くらいで消退出血が起こります。

服用後3週間たっても消退出血が見られない場合は、婦人科への受診または妊娠検査薬の使用をお勧めいたします。

アフターピルで望まない妊娠を防ぎましょう

妊娠検査薬

妊娠検査薬は、生理予定日の概ね1週間後から妊娠の可能性を判定できます。
hCG(ヒト絨毛(じゅうもう)性ゴナドトロピン)の有無を基準に判定します。
hCGは着床時から値が増えて、黄体を維持する働きをします。

妊娠していないときのhCGの値は0.7IU/L以下です。
妊娠3週目くらいに0~50IU/Lとなります。
ちなみに8週後には14,000~169,000IU/Lにも上がります。

一般的な妊娠検査薬はhCGが50IU/L(あるいは50mIU/ML)を越えると反応できるように設計されていますので、妊娠早期の場合は「陽性にならない(偽陰性)」状態が起こります。

使用方法は基本的にスティック状の試薬に尿をかけることで妊娠判定します。

引用:ハイテスターN添付文書
ドゥーテストhCG添付文書

妊娠検査薬を使うタイミング

ノルレボ錠(アフターピル)の服用後、概ね3週間たっても消退出血が見られない場合から使用が推奨されます。

ノルレボ錠(アフターピル)服用後の性交渉について

ノルレボ錠(アフターピル)を服用した後、別途性交渉を行った場合、避妊に失敗してしまうことがあります。
基本的には次の生理や消退出血を待ち、それまで性行為を控えるか他の避妊法を行うべきです。
なお、ノルレボ錠(アフターピル)服用後出血がある前に再び性交渉に失敗してしまった場合、同一経周期(前回の生理から次の予定日までの同じ周期の中)において、2度アフターピルを繰り返し服用した報告がございますので、決して「使用できない」訳ではありません。

引用:Contraception 2004; 70: 442–450

普段からの低用量ピルの服用を検討する

低用量ピルは、用法通りきちんと服用することによりほぼ100%の避妊効果が期待できます。

引用:厚生労働省公開資料(国内第3相試験の評価)

残念ながらノルレボ錠(アフターピル)は、その特性上100%に近い避妊効果を発揮することができません。
特に性交渉から長い時間が経過した場合その妊娠阻止率は減弱することが報告されています。

  引用:Hertzen H., et al.:Lancet,360:1803-1810,2002

ノルレボ錠(アフターピル)の服用を検討する時期は、パートナーとの間で避妊について改めて考える良い時期とも言えるかもしれませんね。

アフターピルで望まない妊娠を防ぎましょう

ノルレボ錠(アフターピル)使用後の低用量ピルの服用について

ノルレボ錠(アフターピル)服用後のピルの服用については注意があります。

ノルレボ錠(アフターピル)服用後、1週間以内に出血(消退出血)があった場合、次の自然な生理を待ってから服用を始めてください。
ノルレボ錠(アフターピル)服用後1週間以上経ってから出血があった場合、その日から低用量ピルの服用を開始できます。
この際、1シート目の間は他の避妊方法を併用してください。

万が一の為に、お守り代わりにノルレボ錠(アフターピル)を1回分程度を持っておくことも、良いかもしれません。
今現在、妊娠を望まないのであれば、普段からの低用量ピルとコンドームの適切な使用を心がけましょう。

yamamotokana-drprofile

ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、医療ガバナンス研究所研究員
1989年滋賀県出身。2015年に滋賀医科大学医学部医学科卒業し、南相馬市立総合病院へ。現在、ナビタスクリニック内科医、相馬中央病院・常磐病院 非常勤医師、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中。女性の総合医を目指し、日々研鑽中。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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