アフターピル(緊急避妊薬)の避妊効果・種類・使い方・副作用を徹底解説

ピル(経口避妊薬)

アフターピルで望まない妊娠を防ぎましょう

アフターピルは緊急避妊薬とも言われ、避妊に失敗した際に使うお薬です。
いざというときのため、アフターピルの種類・飲み方・効果・副作用について知っておきましょう。
また、「消退出血」「不正出血」や、普段のピルの飲み方などについてもご説明します。

アフターピルとは?

アフターピルは「モーニングアフターピル」とも言われる避妊薬です。
避妊に失敗した時や暴行を受けた際に「事後に飲む」薬のことを言います。
避妊効果は100%ではないものの、性交渉後速やかに飲むことにより、かなりの避妊効果があります。

アフターピルで妊娠を防げたかどうかは、次の生理あるいは消退出血(後述します)があるかどうかで確認ができます。

アウターピルには、「ヤッペ法」と「ノルレボ法」という二つの選択肢があり、最近は「ノルレボ法」が使われることが多くなっています。

ヤッペ法・ノルレボ法

ヤッペ法

ヤッペ法とは、ノルレボ法が承認される前に使われていた方法です。
比較的安価であることから、現在も使われることがあります。

中用量ピルである「プラノバール」という錠剤を使います。
プラノバールは、もともと月経困難症や子宮内膜症の治療に使われていた薬で、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの両方が入っています。
ホルモン量を一気に上昇させ、そして下降させることによって子宮内膜を剥がし、受精卵の着床を妨げることにより避妊効果を発揮します。

特徴として、「吐き気」「嘔吐」の副作用が出やすく、避妊効果もノルレボに比べればいくらか劣ります。
しかし、ノルレボが13,000円程度かかるのに比べ、ヤッペ法では3,000円前後と安価なことから、現在でも使われています。
ヤッペ法では、2度の服用が必要です。
ですが、今やノルレボ法が主流です。

ノルレボ法

ノルレボは緊急避妊用に開発された薬です。
2011年、日本で認可されました。
黄体ホルモン単体でできた薬で、副作用がヤッペ法に比べて少ないことが特徴です。
1回の服用で済み、避妊効果もヤッペ法に比べ高率を誇ります。
ただ、少々高価なのが難点です。

アフターピルはもともと緊急用であって、頻繁に使う薬ではありません。
普段の避妊には、低用量ピルをが適しています。
ですので、緊急の場合は避妊効果の程度なども考え、ノルレボにする方がよいでしょう。
実際、現在ではノルレボ法を選択する場合が多いです。

ノルレボ錠の避妊効果

避妊効果を十分に発揮させるためには、性行為後できるだけ早い時間に飲むことが求められます。
避妊率は次の通りです。

性交後の時間 避妊成功率
12時間以内 99.5%
13時間~24時間以内 98.5%
25時間~36時間以内 98.2%
37時間~48時間以内 97.4%
49時間~60時間以内 96.9%
61時間~72時間以内 95.9%

参照:ミナカラ

避妊という事象の重大性を考えれば、多少高価でもノルレボ法、しかもできるだけ早くの服用が良いでしょう。
ノルレボは120時間までならある程度の効果は発揮されますが、それでも早めの服用が理想的です。
また、重複しますが、ヤッペ法は最初の1回の12時間後にもう一度飲まなければなりません。

ノルレボ錠のジェネリック薬品 アイピル

ノルレボにはジェネリック薬品(後発医薬品)の「アイピル」が出ていますが、海外からの輸入でしか入手できません。
直接輸入するのは難しいので、ネットでの輸入代行で買うのが一般的です。
しかし、薬の個人輸入は非常に危険ですので、気をつけましょう

ノルレボ錠(アフターピル)の詳細

ノルレボ錠の成分は、黄体ホルモンである「レボノルゲストレル」です。
作用は…
①「排卵を抑制する」
②「子宮内膜の増殖を防ぎ、受精した場合でも定着しにくくする」
の2つです。

従来は0.75㎎錠を2錠飲む必要がありましたが、2016年に1.5㎎錠が発売され、現在は基本的に1.5㎎錠を飲むことになります。

通常用のピルを代用するのは可能?

アフターピルでは「ノルゲストレル」と「レボノルゲストレル」という黄体ホルモンがその成分です。
この黄体ホルモンはどちらも同じようなもので、プラノバールやノルレボと同じ黄体ホルモンを使っているピルなら代用にはなります。

低用量ピルでは「トリキュラー」や「マーベロン」「アンジュ」「ラベルフィーユ」がアフターピルとして使えますが、1錠あたりの有効成分が少ないため、量の調節が必要になります。

マーベロンでは白3錠、トリキュラー・アンジュ・ラベルフィーユでは黄4錠を一回に飲む必要があります。
ですが、失敗を防ぐため、健康被害等を鑑みて、代用品使用はお勧めできません。

アフターピルの副作用

副作用で代表的なのが「吐き気」「嘔吐」です。
特にフラバノールを使ったヤッペ法で起こりやすい症状です。
服用後2時間以内に吐いてしまった場合、避妊効果が十分に発揮できないので、ここは問題になります。

プラノバールを使用した人の50%は「吐き気」を感じ、15%は実際に「嘔吐」してしまいます。
ノルレボ錠では「吐き気」を感じるのは3%で、「嘔吐」する人はほとんどいません。
ですが、空腹時に飲むと、副作用の吐き気が起こりやすいので、食事の後か、何か軽いものを食べてから飲んだ方がいいでしょう。
アルコールとの飲み合わせは、薬理作用としては問題ありませんが、嘔吐してしまう可能性は高まりますので、注意が必要です。

服用後、妊娠した場合に起こるような「頭痛」「だるさ」「眠気」「食欲不振」「気分障害」などが起こる可能性もあります。
ですが、アフターピルは基本的に安全な薬です。
後遺症が残るということもありません。
不妊症になるとか、将来出産するときに弊害が残るとかいうことはありませんので、その点は安心してください。

アフターピルの飲み合わせ

西洋オトギリソウ(セントジョーンズワート)は飲み合わせ禁忌です。
避妊効果が減退してしまいます。
気分障害の緩和目的などで配合されるものですが、サプリメントだけでなく、ハーブティーなどにも含まれています。
通常、西洋オトギリソウは問題ない成分ですが、アフターピルだけでなくピル全般の服用者の場合は、西洋オトギリソウは併用禁忌とされています。

他に抗けいれん薬(フェノバルビタールなど)や、HIV感染症治療薬なども注意が必要です。
何か持病で継続的に薬を飲んでいる人は、アフターピル服用の前に医師などに確認してください。

一般的な鎮痛解熱剤(NSAIDs 非ステロイド性抗炎症薬)については基本問題はありません。
バファリンとか、イブA錠とか、セデスなど、一般に私たちになじみのある薬です。
いくつか種類があるので述べておくと、強い順に、
ボルタレン>ロキソニン>イブプロフェン>アセチルサリチル酸=エテンザミド>アセトアミノフェン
と、なります。
気をつけなければいけないのは、一番作用の穏やかな「アセトアミノフェン」は、厳密にはNSAIDsに含まれず、そして一番重要なことですが、ピルの効果を減退、副作用を高めてしまうという作用を持ちます。
ピルを服飲んでいる方、アフターピルを使用する方には服用しないでください。
医師と相談しないなら、問題になる可能性がある薬は服用しないでおきましょう。

アルコールについてですが、基本的には問題はないと書きましたが、嘔吐以外にも問題が生じる可能性があります。
それは「肝機能が低下」している人にはピルの処方ができなくなる場合があるからです。
お酒を飲めば、肝機能数値が悪化、特にγ-GTPという値が高くなります。
通常50~70くらいなものが、300、1000~という数値になることも少なくありません。
ピルの服用のあるなしに関わらず、飲酒には制限を設けるのが基本です。

タバコは、アフターピル1回だけならあまり問題はないかもしれませんが、基本、タバコとピルの組み合わせは禁忌です。
血栓症のリスクを160倍以上も高めてしまうからです。
ピルの服用は「35歳以上で1日15本以上の喫煙者」には認められないという基準があります。

アフターピルで避妊できたかどうかの基準

アフターピルの服用後に来る生理のことを「消退出血」と言います。
避妊に成功した証と言えます。
子宮の内膜が剥がれ落ち、血液となって体外に排出されるものです。

ただし、ピルを飲んだからといって、直ちに消退出血が来るとは限りません。
そろそろ生理が近いという頃にアフターピルを飲めば、3日くらいで消退出血が起こります。
一方、前回の生理からまだ日が経っていないという場合では、3週間くらい後に出血が起こります。

ここで、消退出血なのか、不正出血なのか、着床出血なのかを見分けねばなりません。
しかし、これは少々難しい問題でもあります。

「消退出血」とは、子宮内膜が剥がれ落ちる現象のことで、生理と同じものです。
ただ、通常の生理とピルによる子宮内膜のリセットを区別して、後者を消退出血と呼びます。
アフターピルの服用後2日~3週間のうちに起こります。
そして、特徴として、通常の生理より出血量が少なくなる傾向があります。

「着床出血」とは、子宮で受精・着床が起こった場合、つまり妊娠が成立したときに起こる出血です。
ただ、妊娠しても出血しない人もいるので、問題を複雑にしています。
はっきり言えることは、着床出血は、最後の生理があった後の出血であるということです。

「不正出血」は、消退出血・着床出血と関係なく、性器から出血することを言います。
出血量は少ないことが多いのですが、それは消退出血・着床出血もそうである場合があるので、判別が難しいです。
しかし、あまりにも少ない出血であった場合、少なくとも消退出血ではないと考えても、あながち間違いではありません。

不正出血はいつでも起こり得るものだと言えます。
着床出血は、妊娠4週目以降(生理予定日を過ぎている)に起きます。
消退出血は、アフターピル服用後、2日~3週間後であることが特徴です。

元となる病気が特になく、ホルモンバランスの崩れやピルの服用で起こる不正出血を「機能性出血と言います。

一方、背後に病気が隠れている不正出血を「器質性出血」と言います。
子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜炎、子宮体がん、子宮頸がん、卵巣腫瘍、頸管炎症、膣部びらん、膣炎、膣がん、などが原因である場合があります。
この場合、早急に医師の診察が必要です。

アフターピルで避妊に成功できているかどうかが不安なときは「妊娠検査薬」を使うのがいいでしょう。

アフターピルで望まない妊娠を防ぎましょう

妊娠検査薬

妊娠検査薬は、生理予定日の1週間後から妊娠の可能性を判定できます。
hCG(ヒト絨毛(じゅうもう)性ゴナドトロピン)の有無を基準に判定します。
hCGは着床時から値が増えて、黄体を維持する働きをします。

妊娠していないときのhCGの値は0.7IU/L以下です。
妊娠3週目くらいに0~50IU/Lとなります。
ちなみに8週後には14,000~169,000IU/Lにも上がります。

一般的な妊娠検査薬はhCGが50IU/L(あるいは50mIU/ML)で、生理予定日の1週間後からしか検査できませんが、ネットなどでは25IU/Lから感知できる「早期妊娠検査薬」もあります。
この場合、生理予定日か、その4日前くらいから使うことができます。

基本的にスティック状の試薬に尿をかけることで妊娠判定します。

日本の妊娠検査薬は、以前は普通に買えましたが、2009年の薬事法改訂以後、薬剤師による対面販売のみとなりました。
そこで、海外の妊娠検査薬はをネットで買う方が増えています。
しかし、以前のように普通に買える状態に戻そうという動きもありますので、最新情報をチェックしておいてください。

妊娠検査薬を使うタイミング

アフターピルの服用後、生理の予定日を過ぎても生理が来なかったとき、もしくはその1週間後が最適です。

アフターピル後、生理が来るまでどれくらい?

まず、避妊がうまくいった場合の生理を「消退出血」と言います。
通常の生理は、子宮内膜が自然にはがれた結果起こる出血です。
アフターピル服用後の出血は、薬理的に子宮内膜を脱落させる出血で、特に消退出血という言葉が使われます。

アフターピルを服用してから生理(消退出血)が起こるまでは条件によって異なります。
必ずしもすぐ来るものではないことをまず憶えておいてください。

消退出血は、妊娠していなければ、次の生理予定日までに起こります。
だいたい、アフターピル服用後から生理予定日くらいに出血があります。

生理が近いときにアフターピルを使用したら、3日後くらいに生理(消退出血)が来ます。
ですが、前回の生理からあまり日数が過ぎていないときに飲むと、3週間後くらいでやっと生理が訪れます。

3週間経っても生理(消退出血)が来ない場合は、妊娠が疑われます。
これは妊娠検査薬を使ったり、婦人科の診察を受けるべき時です。

また、生理は通常5~7日くらい続くのに対し、不正出血は短期間で終わるケースが多く、「いつもと違う」と思ったら、医師の診断も視野に入れておいてください。
このあたり、日々基礎体温を測って管理していると、身体の状態をより把握できます。

アフターピル服用後の性交渉について

ノルレボ錠などを服用した後すぐに性交渉を行った場合、避妊に失敗することは十分考えられます。
次の生理や消退出血を待ち、性行為を控えるか、他の避妊法を使うべきです。
アフターピル服用後出血がある前に再び性交渉に失敗しても、もう一度アフターピルを用いることはできません。

また、アフターピルを使った後は、次の排卵が遅れることが考えられます。
アフターピル服用後、避妊を確実に行いたいなら。低用量ピルの継続服用を考えましょう。

くれぐれも、アフターピル服用後は、出血があるまで性交渉は控えてください。
アフターピル服用後に再度アフターピルを服用することはできません。

普段からの低用量ピルの服用

アフターピル(モーニングアフターピル)は、緊急時に効果を発揮する薬です。
1回分持っておくと安心かと思います。

ですが、避妊をしたいなら、普段から低用量ピル・超低用量ピルの服用が一番良いと思います。

低用量ピル・超低用量ピルは、きちんと飲めば、ほぼ100%の避妊確率がもたらされます。
対して、アフターピルは、100%とはいきません。
性交渉から時間が経ってしまえばさらに避妊確率は落ちます。

低用量ピルは、子宮内膜の増殖を抑制し、排卵をストップさせます。
アフターピルも同じような作用を持つものの、服用のタイミングが遅れるなどした場合、避妊率は大幅に下がってしまいます。

アフターピルはあくまで「緊急時」に用いるものです。

アフターピルで望まない妊娠を防ぎましょう

アフターピル使用後の低用量ピルの服用について

緊急避妊(アフターピル使用後)のピルの服用については注意があります。

アフターピル服用後、1週間以内に出血(消退出血)があった場合、次の自然な生理を待ってから服用を始めてください。
アフターピル服用後1週間以上経ってから出血があった場合、その日からピルの服用を開始できます。
ただこの場合、避妊確率が万全ではないので、服用から1~2週間は性交渉をしないか、他の避妊方法を使うのが安心です。

万が一の為に、お守り代わりにアフターピルを1回分程度を持っておくこと良いかもしれません。
避妊を確実に行いたいならば、普段からの低用量ピル、超低用量ピルの服用が望ましいので、体と心に負担の少ない方法をぜひ考えてみてください。

しっかり避妊+やさしい生理 スマルナのピル外来

 

インスタグラムはじめました

「スマルナ」相談窓口

スマルナ相談窓口

LINE@に「スマルナ」の相談窓口を作りました。LINEはよく使うけど、メールでのやり取りはあまり慣れていないという方でも、お気軽にご利用いただけます。
相談窓口では生理に関するお悩みごとなどを薬剤師に無料でご相談いただけます。
その他にもスマルナの使い方に関する質問やお困りごと診察時に障害が発生した場合のサポート薬剤師にお薬に関する疑問、質問、または飲み方などのご相談を受け付けております。

  • ※スマルナで取り扱いのない疾患またはお薬に関する質問はお受け出来ない場合があります。ご了承ください。

友だち追加

関連記事一覧

カテゴリー