大人ニキビの改善にピルが効く?ピルでニキビ・肌荒れ治療

ピル(経口避妊薬)

避妊・月経困難症 ピル外来 スマルナ

避妊薬として知られている「ピル」。
ピルがニキビや肌荒れにも効果があることをご存知ですか?

大人ニキビの原因の第一は「ホルモンバランスの乱れ」だと言われています。
ですので、ホルモンのバランスを整える「ピル」は、大人ニキビへの切り札となります。

ピルとは?

ピルを飲むメリット

ピルは経口避妊薬とも言われ、望まない妊娠を防ぐ薬です。
ですが、本来ピルが開発されたのは月経にまつわる種々の問題を解決するためです。

実際、ピルは「月経困難症」を解消する目的でも処方されます。
特に第4世代ピルである「ヤーズ」は、避妊目的で処方されるのではなく、月経困難症治療のための処方になっています。
そのほかにも「月経前症候群(PMS)」、「子宮内膜症」などの改善効果もピルにはあります。
決して避妊のためだけにあるお薬ではありません。

そして、ホルモンの安定効果などから、「ニキビ」や「肌荒れ」に対しても効果があることが分かっています。
アメリカでは、ニキビ治療目的でのピルの使用が認められています(日本では、ニキビ治療目的でのピル使用は保険対象外です)。

大人ニキビは「ホルモンバランスの乱れ」が原因!

大人ニキビの主な原因に、男性ホルモンや黄体ホルモンであるプロゲステロン(プロゲステロンとは、男性ホルモンと似たような作用がある女性ホルモンのことです)による「過剰な皮脂分泌」があります。
皮脂が過剰に分泌されると毛穴が詰まってしまい、ニキビの原因となるアクネ菌が繁殖します。
また、ホルモンバランスが変化する時に、肌荒れやニキビなどの肌の異常が起こりやすいのです。

ピルはこの「ホルモンバランス」を安定させます。

男性ホルモン(テストステロン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用

女性の男性ホルモンを「テストステロン」といいます。
副腎皮質や卵巣から分泌されます。
このホルモンは、皮膚の乾燥や、皮脂分泌を促します。

また、黄体ホルモン(プロゲステロン)も、皮脂分泌増大、皮膚乾燥化の作用があります。
月経前の黄体期に多くなるホルモンです。

男性ホルモン(テストステロン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)は、皮膚の乾燥、皮脂分泌の増大を起こし、肌荒れや、ニキビの原因になります。

他に、ホルモンバランスの乱れによる男性化作用で気になるのに「食欲増進」があります。
この影響で体重がオーバーしやすくなります。また、筋肉が増えます。
筋肉が増えること自体は悪いことではないのですが、脂肪がついた上に筋肉まで増えると、体重が増加してしまいます。

さらにホルモンバランスの乱れによる男性化作用でもう一つ挙げておきたいのが「体毛が増える」ことです。
つまり「ムダ毛」が増えるということです。
同時に髪の毛が減る、というのも男性ホルモンの引き起こす悪影響です。

ピルの作用

女性は、月経前にニキビができたり、肌が荒れることがあります。
これは肌を乾燥させたり、皮脂分泌を増大させたりする作用のある黄体ホルモン(プロゲステロン)が多く分泌されるからです。
皮膚の乾燥は角質を厚くし、皮脂の分泌増大は毛穴詰まりを起こします。
そのため、肌荒れやニキビが発生します。

ピルは、男性ホルモン(テストステロン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)を抑制します。
また、ピルは卵胞ホルモン(エストロゲン)を補います。
エストロゲンには、皮脂分泌を抑え、女性らしい体や、きめ細やかな肌を保つ作用があります。

つまり『ピルがホルモンバランスを安定させ、その結果、男性ホルモンと黄体ホルモンの分泌が抑制され、過剰な皮脂分泌が減り、毛穴詰まりを解消してニキビをできにくくするとともにきめ細やかな肌を保つ』ということです。

ピルはニキビや肌荒れと相性が良い

肌荒れ

ピルに含まれる女性ホルモンの内、卵胞ホルモンはどれも「エチニルエストラジオール」ですが、黄体ホルモンはピルの世代ごとに変わります。
第1世代が「ノルエチステロン」、第2世代が「レボノルゲストレル」、第3世代が「デゾゲストレル」、第4世代が「ドロスピレノン」です。

ピルの世代(ピル名称) 黄体ホルモン
第1世代のピル
(ルナベル)
ノルエチステロン
第2世代のピル
(アンジュ・トリキュラー・ラベルフィーユ)
レボノルゲストレル
第3世代のピル
(マーベロン・ファボワール・ダイアン35)
デソゲストレル
第4世代のピル
(ヤーズ・ヤーズフレックス)
ドロスピレノン

この「黄体ホルモン」の違いが男性化作用を左右します。

ニキビ・肌荒れに効果的なピルは、マーベロン、ファボワール(マーベロンのジェネリック)、ダイアン35、トリキュラー、ラベルフィーユ、ヤーズ、などですが、特に定評があるのは「マーベロン」「ファボワール」「ヤーズ」です。

マーベロン

マーベロンは、第3世代、1相性のピルです。
黄体ホルモンにはデゾゲストレルを採用しており、他の世代のピルより男性化作用が少ないという特徴を持ちます。
ニキビ治療に効果的です。
男性化作用が少ないので太ったり、毛深くなることも少ないです。

ファボワール

マーベロンのジェネリック(後発医薬品)です。
第3世代1相性のピルで、他の条件もマーベロンと変わりません。

ジェネリック医薬品は、開発費用を回避できるので、価格を安価に設定できます。
何かブランドへのこだわりがあるとかなら別ですが、ピルでも鎮痛解熱薬でも、ジェネリックがあるのならそれを選択して何の問題もありません。

ヤーズ

ヤーズは比較的新しい第4世代のピルです。
超低量ピルともいわれています。
黄体ホルモンに「ドロスピレノン」が使われています。
ドロスピレノンは皮脂の分泌を抑制する作用があり、ニキビ対策に有効です。

ピルを飲んだらニキビが増えた?止めたら増えた?

ニキビはホルモンバランスが変動するときにできやすいので、ピルの飲み始めに一時的にニキビが増えるということはあり得ます。
しかし、飲み続けていくうちに効果が現れ、通常約1~3ヶ月で効果が現れます。
それでもニキビが治まらないのであれば、ピルの種類があってないか、他の生活習慣に問題があるかです。

また、ピルの服用を止めると、ホルモンの安定効果はなくなるわけですから、ニキビ再発ということも起きます。
この場合、一旦ピルでニキビをできにくくするとともに、食生活やスキンケアなど、他にできるニキビ対策をしておくことで、ある程度対処できます。

大人ニキビの原因と日常での対策

大人ニキビ

先に述べたように、大人のニキビの最大の要因は男性ホルモンの分泌が過剰な為です。
女性でも男性ホルモンの分泌はあり、それが毛穴を収縮させ、毛穴が詰まります。
さらに、皮脂分泌が増えることによってニキビが発生・悪化します。

ピルを服用するとホルモンバランスが安定しますので、それだけでニキビや肌荒れ対策としては有効です。
ですが、いったん収まったニキビも、ピルの服用を止めると、元に戻ってしまうことが多いです。

また、ピルの飲み初めのニキビ増加などを考えると、やはり普段のケアや生活習慣を整えることが大切です。
まずはニキビ・肌荒れ対策として、日常での基本対策を行いましょう。

正しいスキンケアを行う

皮脂づまりを防ぐためには、毎日の洗顔が大切です。
また、保湿のために、美容液や化粧水も、過不足なく利用しましょう。
紫外線はメラニン色素を沈着させるだけでなく、肌の角質を厚くさせたり、毛穴詰まりを起こしたりするため、UVカットなどの対策を行いたいものです。

ストレスを回避する

ストレスはニキビや肌荒れの大敵です。
人間には自律神経(心臓の鼓動など、意識しなくても働いている神経)というものがあり、それは「交感神経」と「副交感神経」から成っています。
交感神経は緊張時に活発になる神経です。
副交感神経は、眠りや食事、リラックスしているときに優位になる神経です。
この二つの神経系が上手く切り替わることで人間は安定性を保っていられるのです。
ところが、過剰なストレスを感じると、緊張を司る交感神経が優位な状態が続いてしまいます。
交感神経が優位になると、男性ホルモンの分泌も活発になり、皮脂の分泌量も増大します。

対策としては、かなり難しいですが「ストレスのかからない生活をする事」です。
ですが「ストレスのかからない生活をする事」はかなり難しい事ですので、まずは簡単なことから始めましょう。
参考までに私が実践しているのは「就寝1時間~1時間半前にゆっくり風呂に入り」そして「寝るまでの時間、頭の中で今の自分の立ち位置を整理してみる」ことです。
リラックスの方法は何でもいいと思いますが、就寝1時間前にぬるめのお風呂に入るというのは睡眠にも良い方法だと言われています。
ストレッチや腹式呼吸などもよいですね。
ヨガや座禅なども◎。
他にも、ディソシエイト、アソシエイト、メディテーション、ミッションステートメント作成など、自分を安定させる方法は数多くあるので、自分にあうものを試してみるのもいいかもしれません。

睡眠時間を安定させる

睡眠不足だと、交感神経が優位な状態が続き、皮脂分泌が過剰になります。
また、肌の再生がうまくいかなくなります。
古くなった角質を、新しい細胞にリニューアルし、新しい肌を保つには良質な睡眠が不可欠です。
特に『22時から2時の時間』はとても大切です。

良質な睡眠をとるには、食事を就寝の3時間前くらいに済ませておくこと。
なぜなら消化にも体力を使うからです。

また、先ほどお伝えした様に、就寝1時間~1時間半前にぬるめのお風呂に入るとよいとされています。
これは、一旦上がった体温が下がっていくときに人は眠気を感じるからです。

食生活を改善する

食事の内容として「これは採ったらダメ」というものを個別に特定することはできませんが、脂肪分(特に動物性脂肪)や糖質(甘いもの、ケーキ、ジュースなと)はお肌やニキビに良くありませんので、食べすぎには注意してください。

人間には「タンパク質」「炭水化物」「脂質」「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」が必要です。
過剰になりがちなのが「炭水化物(ご飯や糖質)」「脂質」です。
不足しがちなのが「タンパク質」「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」です。

タンパク質は、肉・魚・玉子・乳製品・大豆などに含まれており、プロテインを使うとかでなければ、サプリメントなどで補えるものではありません。
食事できっちりと採りましょう。

ビタミン・ミネラル・食物繊維ももちろん食事から採れたらベストなのですが、無理な場合はサプリメントで摂取するのもよいでしょう。
「マルチビタミン」「マルチミネラル」などのサプリメントはドラッグストアで簡単に手に入るため、食事で無理なら考えてみてください。

食物繊維についても、野菜を毎日食べられれば一番良いのですが、無理な場合、補助として、水溶性食物繊維である「難消化性食物繊維デキストリン」、不溶性食物繊維である「セルロース」というパウダー状の栄養補助食品が出ています。
Amazonでは400g(40~80日分)が850円程度で販売されています。
水溶性食物繊維1に対して不溶性食物繊維2の割合で採るとよいとされています。
合わせて1日20gの摂取が目安とされています。

アルコールやタバコを控える

アルコール、タバコが習慣になってない人は決して手を出さないでください。
しかし習慣になってしまっている人は「控えよう」と簡単に言われても困るものです。
ですが、アルコールは皮脂腺を刺激する作用があり、過度の飲酒はできれば抑えた方がよいでしょう。

タバコは身体を壊すということで間違いありません。
そして「ピル」を服用している場合、タバコと組み合わせると、血栓症の発症確率が167倍にもなります。
どうしてもやめられない場合は、最近流行りの「電子タバコ」はいかがでしょうか?
ニコチンの入っていないタイプのモノです。
私はこれで、実タバコを1日3本までに減らせました。

便秘の解消(腸内環境を整える)

便秘も大人ニキビの原因になります。
体内の不敗物質やガスが、便として体外に出されない場合、毛穴から出そうとする働きがあります。
便秘対策には「水分を採ること」と「腸内環境を整えること」が大切です。

人間の腸内には、おびただしい数の細菌が住み着いています。
これら腸内細菌は、人間にとって有益な「善玉菌」、悪い作用をする「悪玉菌」、優勢な方につく「日和見菌」に分けられます。
いかに善玉菌優位にするかが大切です。
それには、ビフィズス菌・フェーカリス菌・アシドフィルス菌などの善玉菌を腸内に送り込むのが第一です。
ヨーグルトなどでもよいのですが、手っ取り早いのは医薬品を使うことです(ビオフェルミン、ラクトーン、パンラクミン、ザ・ガードなど)。

そして、善玉菌のエサとなる「食物繊維」を摂取するのが重要です。
ゴボウなどの根菜、ホウレンソウなどの葉菜、大豆製品、こんにゃく、海藻類などに多く含まれています。
採れない場合は、先ほど話した「難消化性デキストリン」「セルロース」などでもいいかと思います。

善玉菌のエサとしては「オリゴ糖」も挙げられます。
どこでも簡単に変えるのですが、注意が1点。
安価で手軽な「イソマルトオリゴ糖」は、甘味料にはなっても、腸内細菌のエサにはなりません。
その前に体に吸収されてしまうからです。「フラクトオリゴ糖」など多く種類がありますので、チェックしてみてください。
水溶性食物繊維・不溶性食物繊維・オリゴ糖、は1:2:1の割合で採ることが推奨されています。

また「納豆」は腸内バランスを強力に調整します。
4~5日も腸内に滞在し、乳酸菌の増殖を10倍にも高めることが知られています。

ニキビ・肌荒れ対策には「腸内環境の適正化」が重要だということをぜひ憶えておいてください。

まとめ

ニキビ予防、ニキビ対策で最も重要なことは「生活習慣を正すこと」。
簡単なようでなかなか出来ないことです…
「いきなり全部」ではなく、「できることから少しずつ」あるいは「一つだけでも取り入れてみよう」くらいの姿勢でいきましょう。

『人間、何かを変える(例えば朝30分早起きして読書する等)為には、3週間欠かさずやること。そうすると習慣になり、それ以降は意志力を使わなくても当たり前のようにできるようになる』といったセオリーもあります。
ただし、いきなりあれもこれもは危険なので、よほど自信がある人以外は1つづつにしてください。

さて、では、生活習慣を正してもニキビや肌荒れが解消しない場合はどうしたらいいのでしょうか?
その答えの一つが「ピルの服用」です。
ピルは体内のホルモンバランスを整えることによって、避妊だけでなく、子宮内膜症・月経困難症・月経前症候群(PMS)などの改善効果を持ちます。
そして、「ニキビ」「肌荒れ」を防ぐ効果があり、海外ではニキビ対策としてピルを処方する場合もあります。

世界におけるピル(低用量ピル)の服用人数

経口避妊薬と聞けば、なにやらはばかられる事のように思われるかもしれませんが、全くそんなことはありません。
海外では当たり前の選択です。
日本でのピルの普及率はわずか1~2%ですが、フランスでは41%、ドイツ37%、イギリス28%となっています。
キャリアウーマンに限定すればもっともっと服用率は高いです。

なぜ、日本でのピル服用率が、こんなにも低い理由には以下の3つの理由があると考えられます。

①ピルの承認が遅かったこと。
日本で低用量ピルが承認されたのは、アメリカに25年遅れた1999年。
先進国の中でもっとも遅い承認でした。

二つ目は、ピルを入手するのに、処方箋が必要なことだ。多くの先進国では、ピルはドラッグストアでも入手できる。前出の吉田いづみさんは「ハンガリーでは、初回の入手には処方箋が必要ですが、二回目からは薬局で買えます」という。

海外で安全性が担保され、ドラッグストアで普通に販売されている医薬品が、日本人にだけ危険性が高いとは考えられない。この規制は、早急に見直すべきだ。

三つ目の理由は偏見だ。山本医師は、服用を忘れないようにピルを机の上においていたところ、同僚の男性医師から「コンドームを人目につくところに置いているようなものだ」という抗議があったという。医師でさえ、この程度の認識なのだから、社会的コンセンサスには程遠い。

参照:HUFFPOST 日本人のピル服用率は、なぜこんなに低いのか

少しの勇気を出して、ピルの服用を始める…というのも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

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